月夜野きのこ園

名人Shihoプロフィール
Shiho
月夜野きのこ園 クワカブ飼育担当
クワカブ歴50年、経験種数400種超! 「名人Shiho」として親しまれ、TBS「Nスタ」やNHK前橋に昆虫ハンターとして出演経験も。

2003年より飼育日記を執筆中。本格飼育30年の経験を活かし、YouTube「月夜野クワカブch」では月2回のライブ相談室も開催しています。


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〒376-0132 
群馬県桐生市新里町鶴ヶ谷460-1
Tel:0277-74-6441

※基本月曜が休園です。詳しくはHPでご確認下さい

有限会社 月夜野きのこ園
北側2F事務所

〒379-1305
群馬県利根郡みなかみ町後閑1170
Tel:0278-20-2060

※基本日曜祝日が休園です。詳しくはHPでご確認下さい

カナブン【国産アオカナブン】の飼育方法(種類判別&雌雄判別&幼虫飼育&産卵)

アオカナブン

先日お客様と直接お電話でお話しした際、

「国産のカナブン、アオカナブンの見分け方、♂♀の違い、飼育方法を教えて下さい」

とのご質問を受けました。

 

そういえば、カナブンに関しての記事はここ数年書いていませんでした。

3年程前の記事の重複になりますが、ちょうどアオカナブンの飼育記事について書いていましたので、ここで改めてご紹介してみたいと思います。

 

カナブンの中でもひときわ美しい国産の「アオカナブン」の紹介をしてみたいと思い


樹液に集まる国産アオカナブン達

 

まずは国産アオカナブンとはどういう昆虫なのかをご紹介してみたいと思います。

 

【国産アオカナブン♂】

 

【国産アオカナブン♀】

 

【国産アオカナブン】

【体長】
22~27mm

【分布】
北海道~九州まで幅広く生息。山地性が強い。

【体の特徴】
全体的に光沢があり、とても美しい。
色合いはグリーン、赤みのあるグリーン、ブルーなどの色彩変異がある。
身体をひっくり返した際、両後足の付け根の左右の基節がお互いに接する。
身体のラインは比較的細みのやや縦長。

【♂と♀の体の違い】
♂には腹側の下腹部の部分に縦筋の凹みがある。
♀には凹みは見られず、平らなまま。
(※下の記述で詳しくご紹介します)

【行動の特徴】
非常に素早く動き、あっという間に飛んでしまう。
飛翔性がかなり高い。
交尾意欲が高い

【野外で採れる場所】
平地でも見られるが、比較的山地性が強く標高の高い所で良く見られる。
クヌギやニレ、ナラ、ヤナギなどの樹の枝状にくっついて樹液を食している。
夜の灯火によく集まり、灯火採集はとても有効な手段。

【有効な採集方法】
樹の枝回りなどをじっくりと見て網などで捕獲する方法。
樹を蹴って落とす方法。ただしよく飛ぶので落下する前に飛んでしまうことが多い。
灯火採集方法。

【活動期間】
5月下旬~9月下旬
ベストシーズンは6月上旬~7月中旬。

【採れる時間帯】
朝方~昼間にかけて活発に活動するが、夜でも見られる。

 

 

★★国産アオカナブン♂と♀の違い★★

皆さん、国産アオカナブン成虫の♂♀の違い(見分け方)ってお分かりでしょうか?ぱっと見、外見上ではほとんど見分けがつきませんよね。でも実はある部分を見ると決定的に異なる箇所があるんです。

その箇所とは、「お腹の凹み(ヘコミ)の有無」を見ることです。
下に国産アオカナブンの♂と♀のお腹の部分の拡大画像を紹介しております。ご覧下さいませ。

 

如何でしょうか?
♂の方はお腹の部分が縦に凹んでいます。♀の方は凹まず、平らな状態です。

 

外見上では♂か♀の判断は難しいですが、お腹側を見れば一目瞭然です。
この判別方法は、例外もあるようですが、国産カナブン、国産クロカナブンなどでも適用するようです。雌雄判別に迷ったら、まずはお腹側下腹部分の凹みの有無を確認してみては如何でしょうか?

もしこれで♀だけでも採集出来れば、持ち腹を期待して産卵セットを組むことも可能ですね。

 

 

★★国産アオカナブンの養殖(ブリード)方法★★

国産アオカナブン、こうしてじっくりと見ると、とても美しい魅力のある昆虫ですよね。

実はこのアオカナブン、野外でも多く見かけることが出来ますが、養殖でも産卵させ、羽化させることが出来るんです。

 

※一部画像&文面が過去日記内の「クロカナブンの飼育」より抜粋しております。ご了承くださいませ※

 

 <国産アオカナブンの産卵方法>

【お勧めのマット】 
黒土マット
【使用した容器】 
クリーンケースS
【水分量】 
水分量は通常のセットよりは少な目、マット開封後、ほぼ加水なし
【マットの詰め方】 
ケース底面10センチ程度、少し強く詰めて上部3センチはフンワリと。
【設定温度】 
25~28℃前後(大体27℃キープ)

 
セット方法を図示するとこのような感じです。
img_20120928T150620265
 

 

産卵セット割り出し時の様子


※上記はクロカナブンの割り出し時の様子

 

アオカナブンは低温飼育が良いと言われていますが、この時、私の場合、カナブン系の知識があまりなかったので、ノコギリやヒラタ、コクワなどと同等の部屋で、管理温度 25~28℃ 程度で産卵セットを組みました。

この時はこの温度帯でセットし、数は少ないもののとりあえず幼虫を得る事には成功しましたので、あえてこの温度帯でご紹介させて頂きますが、後で調べたところ、国産アオカナブンは山地性が強いということなので、もう少し低めの温度で産卵セットを組んでやれば、もう少し産卵数も増えたのではないかと考えます。

マットの水分量は通常のカブトムシのセット時にする時よりも、少し少な目にするのがポイントです。マットを手で強く握っても固まらない(土団子が出来ない)程度が望ましいです。

また上記データではマットはケース底面は固く敷き詰めたとありますが、そこまで固く詰めなくても大丈夫です。柔らかい部分にも産んでくれます。

 

 

★★国産カナブンの幼虫★★

カナブンの幼虫をご紹介してみたいと思います。

 

これがカナブン(※クロカナブン)の幼虫です。
 クワガタよりカブトムシに似ている気がします。
身体の皮膚はとても薄く、すごく柔らかく、少し強い力で握ると潰れてしまうようです。
 
 

またこのように身体を真っ直ぐのばして棒状のような体勢をよくとります。体毛も薄いですが、びっしり生えています。
 
またカナブンの幼虫は背中で這うように進みます。
いわゆる背面歩行をする傾向があります。
 
 
身体的な特徴で、クワガタやカブトムシと決定的に違うところがあります。それは頭部分です。
 
分かりますでしょうか?
頭は身体にめり込んでしまうほど小さく、そして頭の両側(左右)に斑点のようなものがあります。
 
カナブン系の幼虫では大体この斑点のようなものを見かけます。
 

こうして見るとクワガタやカブトムシとは大分違いがありますね。これならば迷わないでしょう。

 

 

 次に幼虫飼育時の詳細です。
以下のように育てました。

 

<国産アオカナブンの幼虫飼育>

【使用したエサ】
黒土マット
【水分量】
少し少なめ
【設定温度】
23~25℃前後
【使用容器】
300ccプリンカップ
【エサ交換回数】
4~5回位
【羽化までの期間】
合計11~14ヶ月程度

 


300ccのプリンカップで育てました。

 


マットは固く詰めず、ふんわりと入れるだけ。

 


300ccカップの9分目位マットをぎりぎり入れて育てました。

 

それで羽化してきたのが、


国産アオカナブン♂:体長25mm

 


国産アオカナブン♀:体長23mm

 

11ヶ月程度の飼育で、上記2体が羽化。
自力脱出してきている所を発見。

上の♂は完全にグリーン、下の♀は少し背中にレッドが入っているようです。

同じ親からの子供なのですが、色彩が微妙に違います。
この色彩変化が多彩な所は外国産クワガタのパプアキンイロクワガタに似ているような気がします。

 

上記画像でご紹介した2頭のみが先に11ヶ月程度で羽化してきました。

他の個体はこの後、14ヶ月程度かかってようやく羽化。

冬場も温度管理をして育てたので、一年一化で羽化するのは考えられますが、全て一斉に羽化しないのを見ると、環境が合っていないのかもしれません。山地性が強いらしいので低温管理が必要だったのかもしれません。

 

実績はまだ数頭ですが、国産アオカナブンは飼育でも産卵~幼虫飼育~羽化と、一応無事に育てることが出来ると言えます。

とてもキレイで色彩変化もあり、羽化が楽しめる昆虫だと思います。

世間ではブルー色に近いカナブンが人気があると聞きます。

私はまだ野外でも養殖ものでも実際見たことがありませんが、機会があれば野外で出会い、可能ならばブリードして羽化させてみたいと思っております。

 

※ここでご紹介させて頂いた考え方や飼育方法はあくまで私:Shiho個人のやり方&考え方であってそれを押し付けるものでは御座いません。あくまでもご参考程度にご覧頂ければ幸いです。よろしくお願い申し上げます。

icon 使用した菌糸・発酵マット
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コメント

コメント一覧 (6件)

  • 素晴らしいですね!難関とされる種類のデータは大変価値があると思います。以降の累代、繋げられたら、また記事のアップ宜しくお願いします。

  • 虫シゲさん

    レスありがとうございます。
    頑張りたいと思います。
    今後ともよろしくお願い致します。

  • 現在、私はリュウキュウハナムグリを飼育しているのですが、雄雌の違いが知りたいです。ハナムグリの場合でも、カナブンと同じ見分け方でよいのでしょうか?また、その他の外国産カナブン、ハナムグリも同じ見分け方でいいですか?

  • ⅮH・Ⅽ(セプテントリオナリス) さん

    レスありがとうございます。

    大変申し訳ございません、リュウキュウハナムグリですが、私は過去に飼育もそうですが一度も手にしたこともないのでちょっと分かりません。

    お役に立てず申し訳ございません。ご了承下さいませ。

    飼育日記担当:Shiho

  • はじめまして。
    大変ためになる内容でとても参考になります。
    ところであおカナブンの成虫&産卵&幼虫飼育には
    かぶと虫用のマットでも問題ないでしょうか?
    サイトにもありました黒土マットが必須なので
    しょうか?ご連絡よろしくお願い致します。

  • yamaneko さん

    初めまして、レスありがとうございます。

    私が使用したのは確かに弊社の黒土マットで、それでとりあえずは産卵、幼虫飼育も成功させることが出来した。

    私の場合、このマットで挑戦しましたので、他のマットが合うかどうかは試していないので何とも言えません。

    弊社以外のマットでも勿論アオカナブンに適するマットは存在すると思いますので、購入される前に販売元のショップなどに問い合わせて聞いてみると良いと思います。

    宜しくお願い致します。

    飼育日記担当:Shiho

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